Cointimeが閲覧した同書によると、昨年の減少は、暴落した暗号通貨市場の波乱の年に加えて、暗号通貨取引所FTXの崩壊の直接的・間接的な影響が原因だとされています。

同書には、「ファンドは、今年の初めに起こったLUNAやThree Arrows Capitalの壊滅的な破綻は避けたが、FTXに関する衝撃的な暴露やそれに伴う市場の拡散は避けられなかった。2021年には素晴らしい年だったが、2022年のパフォーマンスは創業以来最悪だった。」と記されています。

Multicoin Capitalは、2017年10月に立ち上げた流動性の高いトークンへの投資を主体とするヘッジファンド戦略を展開しており、Kyle Samani氏がマネージングパートナーを務めています。同社は3つのベンチャーキャピタルファンドも運営しており、今や破産したFTX取引所にも投資しています。

大幅な損失を被ったにも関わらず、Multicoinのヘッジファンドは、創業から2022年までの手数料を差し引いた1,376%の収益を上げています。広範な暗号通貨市場の反発に伴い、Multicoinは、2023年1月には100.9%の収益を報告し、創業以来の収益は2,866%に達しました。

Multicoinの2022年の損失は、FTXに取り残された資産や、FTXに直接影響を受けたトークン、FTXトークン（FTT）などの保有資産から生じたものです。同社は2022年11月、FTXに影響を受けた資産のためのサイドポケット（メインファンドからのカーブアウト）を急遽作成しました。これには、現在破産手続きに巻き込まれている取引所に取り残された資産が含まれます。サイドポケットには、FTXの崩壊直前に引き出されたMulticoinの資産も含まれており、これらはFTXの財産による取り戻しの対象になる可能性があるとのことです。

同社はまた、「取引相手方リスクを緩和するため」に新しい対策を講じています。同社は、取引資産を1つの取引所に48時間しか保管せず、デリバティブのポジションに対して保管される担保の量を減らすために担保管理の実践を調整し、追加のカストディアンにオンボーディングしてカストディアンリスクを多様化します。

Multicoinは、長期的な戦略を堅持し、「市場をタイミングすることはない」と述べています。Multicoin Capitalのスポークスパーソンはコメントを控えました。