BUSDの有価証券性で議論
米ドルステーブルコイン「バイナンス USD(BUSD)」の発行停止命令を受けたパクソスのCharles Cascarilla CEOは18日、社内向けのメッセージで、米証券取引委員会(SEC)と建設的な議論を行なっていると説明した。
本内容は、社内向けメッセージを入手した「ロイター」らの海外メディアが報道。Cascarilla氏は、SECとは今後も内々に議論を進めていくと述べている。
また、バイナンスとの関係を終了した理由について、SECと米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)とは無関係であると説明。「市場の変化によって、バイナンスとの関係が、我々の戦略的な優先事項に合致しなくなったからだ」と述べた。
パクソスは今月、NYDFSからBUSDの発行停止命令を受けたことに加え、証券の登録を怠ったとしてSECから「Wells Notice(ウェルズ通知)」を受け取った。ウェルズ通知とは、企業や個人に対し、SECが法的措置を講じる予定であることを正式に伝える公文書。SECは、BUSDを有価証券であると主張している。
Cascarilla氏は今回のメッセージでも、BUSDは有価証券ではないとの立場を維持。必要であれば訴訟を行い、同社の立場を擁護していくと改めて従業員に伝えた。
なお、ウェルズ通知を受け取ったとしても、強制措置の執行には5人のSEC委員による投票が必要。そのため、必ずしも訴訟に結びつくとは限らないという。
BUSD償還の現状
パクソスは今月13日、BUSDの新規発行を21日に終了することを発表。その際、これからも顧客資産の安全性を最優先に考え、準備金の管理を続けて、最低でも2024年2月まではBUSDの償還に応じると説明している。
今回の社内向けメールによって、これまで28億ドル(約3,770億円)超相当のBUSDが償還されていることも明らかになった。米当局の対応を受け、ステーブルコインの勢力図にも変化が現れ始めている。
Glassnodeのデータによれば、BUSDのドミナンスが22年11月の17%から12%まで減少。一方、テザー(USDT)のドミナンスは拡大しており、再び50%を上回ったことが先週明らかになった。
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