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テザーCTO、セルシウスからの借入を否定 破産報告書に反論

2500億円超の融資

ステーブルコイン「USDT」を発行するテザー社は1月31日、同社が破綻した暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウス)から融資を受けていたとの報道を強く否定した。

Paolo Ardoino最高技術責任者(CTO)は、セルシウスの破産報告書で指摘されたテザー社への融資について、「テザーはセルシウスから借り入れたことは一度もない」と反論した。

セルシウスは昨年7月、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づいた破産申請を行った。8月に米政府の連邦管財官事務所が、破産申請に関して独立した検査官の任命を裁判所に要請。9月末に任命されたShoba Pillay検査官は、翌年1月31日に最終報告書を発表した。

470ページに及ぶ破産報告書では、2020年12月の時点で、テザー社をはじめ破綻したアラメダ・リサーチやThree Arrows Capital(3AC)に対するセルシウスからの融資が、信用限度額を大きく上回っていたと指摘されている。

テザー社の場合、融資は限度額の2倍に達し、最終的には2,500億円超(20億ドル)以上に膨らんだという。検査官はセルシアスの内部文書に言及し、2021年9月下旬には「セルシウスの資本はテザー社の債務不履行に耐えられないため、その巨額のエクスポージャーがセルシウスに存続リスクをもたらす」と危惧されていたことを明らかにした。

このような指摘に対し、Ardoino氏は以下のようにツイートした。

文書は「~から」と「~に」を混同している。誤字か事実誤認のどちらかだろう。

英ファイナンシャル・タイムズ紙の記者はツイッターで、破産報告書の「セルシアスがテザー社に融資をしている」という記述について、異なる解釈を提示し、Andoino氏に同意している。

セルシウスがテザー社から借りた金額を超える担保を計上していることから、このエクスポージャーが発生している

Andoino氏は仮想通貨メディア「The Block」に送った声明で次のように説明した。

文書でセルシウスは、追加証拠金を計上したカウンターパーティーとして言及されている。これは借り手が、合意されたリスクの範囲内にとどまるために行う行為だ。

テザー社は昨年7月、財政難に直面していたセルシウスのポジションを精算したと発表。セルシウスへの融資はビットコイン建で行われ、担保率130%であったことを明らかにした。

この発表の5日後、セルシウスは破産申請をしている。

セルシウス前CEOが提訴される

米ニューヨーク州司法長官は1月5日、セルシウスの共同設立者で前CEOのAlex Mashinsky氏を、投資家から数千億円(数十億ドル)相当の仮想通貨を詐取したとして提訴した。

司法当局は、同氏が安全性について虚偽かつ誤解を招く発言を繰り返し、損失を隠蔽、また証券・商品取引業者としての登録を怠った責任を追求する。

Mashinsky氏は昨年9月27日付でCEOの辞任を表明したが、ファイナンシャル・タイムズは関係者の話として、同氏がセルシウスの破産申請に先立ち、同社の口座から約13億円(1,000万ドル)を引き出していたと報道した。

破産報告書では、Mashinsky氏が巨額の資金を引き出すのを助けるなど、セルシウスが数年にわたり、顧客資金を不正に使用していた実態が指摘されている。

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