Cointime

Download App
iOS & Android

米国の政府機関、CBDCを議論する会合を定期開催へ

CBDCを話し合う定期的な議論の場

米財務省のネリー・リャン国内金融担当次官は1日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)について議論するために、複数の政府機関が定期的に会合していく計画だと述べた。

リャン氏は、シンクタンク「アトランティック・カウンシル」のカンファレンスで、財務省主導の省庁間CBDCワーキンググループの方針についてスピーチを行った。

この中で、米財務省、連邦準備制度理事会(FRB)、および経済諮問委員会や国家安全保障会議などホワイトハウスの各機関のリーダーが、CBDCやその他の決済イノベーションの可能性を定期的に話し合っていくとしている。

これらの議論のたたき台とするためにも、CBDCワーキンググループは、最初の調査結果と推奨事項を報告するレポートを作成しているところだと続けた。

レポートの内容としては、米国のCBDCが政策目標を達成するのに役立つかどうか、さらに、目標を達成するために必要となる機能、CBDCの設計上の欠点を解決するための選択肢、さらに技術面で研究開発が望まれる分野などを想定しているという。

CBDCはまだ「検討段階」

リャン氏はスピーチの結論部分で、まだ米国はCBDC発行を決めたわけではないことにも言及した。現在は、米国のCBDCが国益に適うかどうかを評価している段階だとしている。リャン氏は、次のように説明する。

米財務省は、省庁間のCBDCワーキンググループを主導して、広い行政の視点から見た政策目標、すなわち、世界の金融におけるリーダーシップ、国家安全保障、プライバシー、不正資金、金融包摂などについて米国のCBDCがどのような意味を持つのか、そのことに関する推奨事項を検討しているところだ。 

また、国内でこのような検討を行うと共に、国際的にもCBDCの基準設定イニシアティブに積極的に参加していくと続けた。CBDCを開発している他の国々と、技術や知識を共有していく姿勢だ。

CBDCとは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。「Central Bank Digital Currency」の略である。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い

3つの政策目標とCBDC

リャン氏は、より広い政策目標とCBDCが関連する分野について、次の3つを挙げた。

米ドルの世界的な役割や、米国の世界的な金融におけるリーダーシップ国家安全保障プライバシー、不正資金、金融包摂

まずリャン氏は個人的な見解として、金融リーダーシップについては、米ドルに対する需要は、米国の経済力や、米国金融市場の規模や開放性などから生じており、CBDCを持つかどうかとは基本的に無関係と思われると述べた。

その上で、ワーキンググループは、米国のCBDCが、従来の中央銀行マネーに欠けている機能を持つという点で、米ドルの世界的地位を維持するのに役立つ可能性を検討しているとする。

国家安全保障については、米国が経済制裁などを行う際に、マルチ通貨型のものを含めて、海外政府が開発するCBDCプラットフォームの発展が、米国が行う措置の有効性を低下させるとの指摘があると説明した。

さらに、海外のCBDCプラットフォームがサイバーセキュリティの面で不十分である可能性についても言及。こうしたリスクに対して、米国のCBDCやその他のツールが対応できるかも検討しているとする。

最後に、CBDCが利用者のプライバシーを保護し、不正な金融取引のリスクを抑えられるか、米国では銀行口座を持たない人口が一定存在するなどの問題に対処できるかなどの面も評価する必要があると話した。

コメント

全てのコメント

Recommended for you

  • 韓国警察、232億ドルの仮想通貨投資詐欺容疑で215人逮捕

    韓国警察によると、正体不明のユーチューバーが偽の投資会社を経営し、韓国国民をだまして無価値なトークンに投資させたという。この計画では、2021年末から2023年3月までの間に被害者から2億3,200万ドル以上をだまし取られたとされている。韓国警察は、総額3,256億ウォン(2億3,200万ドル)の仮想通貨投資詐欺容疑の捜査で215人を逮捕した。
  • ビットコインプロジェクトCitrea、ゼロ知識テクノロジーを通じたシリーズA資金調達で1,400万ドルを調達

    ビットコインプロジェクトCitreaは、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンド主導によるシリーズA資金調達ラウンドで1,400万ドルを調達した。このプロジェクトは、ゼロ知識 (ZK) テクノロジーを使用してビットコイン ブロックチェーンをスマート コントラクトの場に変えることで、ビットコインをプログラム可能な資産にすることを目的としています。シトレア氏は、ビットコインの有用性を高めることが重要だと述べた。ゼロ知識技術の使用を通じて元の暗号通貨の有用性を拡張することに焦点を当てたビットコインプロジェクトであるCitreaは、シリーズA資金で1400万ドルを調達したと発表した。
  • グレースケール所有者の仮想通貨ミキサー、レールガンはマネーロンダリングの疑い、DCGはDeFiアプリケーションに関与、規制問題は残る

    グレイスケールのオーナーであるバリー・シルバート氏の仮想通貨ミキサー「レールガン」でマネーロンダリングされた資金が急増したことを受けて、手数料収入が急増したことがフォーブスの調査で明らかになった。暗号通貨の分野ではプライバシーの懸念が依然として残っており、暗号通貨ミキサーはデジタル通貨プール内のデジタル通貨を難読化することができ、元の暗号通貨ウォレットから分離したままにし、元の資金源を知ることをほぼ不可能にします。ラザルスは30億ドル以上の仮想通貨を盗んだが、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)の広報担当者はこの件についてのコメントを拒否した。 DCG は Railgun に 1,000 万ドルを投資し、500 万 RAIL を受け取りましたが、現在 390 万ドルの価値があり、60% 以上下落しています。
  • マスク氏、アバターをスターシップ・フライト5に変更

    マスク氏はアバターとプロフィール写真を変更し、アバターがスターシップ・フライト5に変更されたと投稿した。
  • 7月31日夕方ニュースエクスプレス

    1.BTCが66,000ドルを下回る
  • 7月30日夕方ニュースエクスプレス

    1.BTCが66,000ドルを下回る
  • CoinTime 7月27日 ニュースエクスプレス

    1. トランプ氏のビットコインカンファレンスへの出席予定により、関連するコンセプトコインは全体的に上昇した可能性があり、TREMPは24時間で19.3%上昇した
  • トランプ陣営、ハリス氏がバイデン氏の選挙資金9600万ドルを相続したとして告訴

    外国メディアの報道によると、トランプ陣営はバイデン氏がハリス氏に9600万ドルの選挙資金を送金したのは違法だとして連邦選挙委員会に告訴した。トランプ陣営の弁護士デービッド・ウォリントン氏は、この動きを「連邦選挙法史上最大の過剰献金であり、最も重大な違反となる恥知らずな金の強奪だ」と批判した。バイデン氏が選挙戦から撤退し、ハリス氏を後継者に指名した直後、ハリス氏はバイデン選対委員会の銀行口座を乗っ取った。共和党候補者の代理人を務めた弁護士スティーブ・ロバーツ氏は、移籍に対する反対論は共和党の同僚らによる「希望的観測」だと述べた。ハリス陣営は、今回の告訴は資金集めや支出に影響を与えることはないと述べた。