ゴールドマン・サックスの債券部門（FICC）のトレーダー、リキン・シャー氏らは、ジャクソンホール会合前は市場が様子見姿勢だったと指摘した。パウエル議長の今回の発言は、特に雇用統計の最近の修正を受けてFRBが労働市場に重点を置いていることを踏まえると、9月の利下げにゴーサインを出した格好となった。これは、パウエル議長が前回のFOMC記者会見で言及し、ジャクソンホール会合の演説でも繰り返した「労働市場の下振れリスク」の好例である。ゴールドマン・サックスのトレーダーは、特に政治的な圧力がある中で、8月の非農業部門雇用者数増加率が10万人を下回れば、9月の利下げが確定するだろうと見ている。ゴールドマン・サックスは、労働市場がさらに弱まる場合、今が好機だと指摘している。同銀行は、経済減速と正常化のどちらのシナリオでも、FRBは次期FRB議長が就任する前、つまり2026年前半末までにこの利下げサイクルを完了する可能性が高いと考えている。