3月19日、「連邦準備制度理事会の代弁者」として知られるウォール・ストリート・ジャーナルの記者ニック・ティミラオス氏は最新の記事で、連邦準備制度理事会の当局者は水曜日に6兆8000億ドルの資産保有を減らす政策の調整を検討するだろうと述べた。過去3年間、FRBは、新型コロナウイルスのパンデミックでビジネス活動が混乱した際に機能不全に陥った市場を安定させるために2020年に講じた措置を含む、以前の景気刺激策で蓄積した米国債と住宅ローン担保証券のポートフォリオを解消してきた。連邦準備制度理事会は、同じくバランスシートを縮小していた2019年のような事態の繰り返しを避けようとしている。当時、バランスシートの縮小により翌日物資金調達市場が逼迫し、FRBは政策を変更してバランスシートを拡大せざるを得なくなった。連邦準備制度理事会のバランスシート縮小と、議会とホワイトハウスによる連邦債務上限引き上げの必要性が相互作用し、今後数カ月で市場のボラティリティが高まる可能性が高まってくる。 1月の直近の会合で、FRB当局者は債務上限引き上げに伴うリスク、つまりシステムから準備金があまりにも急速に流出する可能性があることについて議論した。議事録によると、当局者は債務上限がＦＲＢのバランスシートの微調整能力を妨げないよう、バランスシートの縮小を数カ月間遅らせるか停止することについて協議した。 RBCキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ブレイク・グウィン氏は、債務上限引き上げから数カ月後に財務省が現金残高を回復するまで、FRB当局は資金の引き下げを一時停止する可能性があると述べた。その時点で、FRBは独自の条件で準備金の取り崩しを再開できるだろう。