6月21日、中国人民大学で開催された中国マクロ経済フォーラム（CMF）2025中期フォーラム（通算第69回）において、中国社会科学院院士で国家財政発展実験室長の李陽氏は、「継続的に充実する中国の金融政策ツールボックス」と題する講演を行った。李陽氏は、三つの側面から、現在の金融政策の策定と実施環境はますます複雑化していると述べた。第一に、国内の有効需要が不足し、物価が低迷し、期待が弱い。経済成長の促進、科学技術の進歩、所得分配の改善といった面でのプレッシャーは依然として大きい。第二に、国際舞台における「一世紀に一度の大きな変化」が加速し、グローバル化のプロセスは停滞し、地政学的緊張が高まり、国際経済、国際貿易、国際金融のいずれにおいても、世界情勢は分断化、多極化、二国間主義へと移行している。さらに、ステーブルコインは欧州、米国、香港で相次いで立法手続きを通過し、デジタル技術が現在の通貨、金融、金融政策、さらには金融理論にもたらす挑戦を明確化しました。李陽氏は特に、仮想通貨には多くの種類があるにもかかわらず、立法手続きに入ったのはステーブルコインだけであり、これを高く評価する必要があると指摘しました。ステーブルコインは、従来の通貨とは理論的根拠や運用特性が大きく異なり、従来の通貨・金融システムに新たな挑戦を突きつけるでしょう。